株式会社MonotaRO様にて広告クエリを題材としたデータモデリング研修を行いました

株式会社風音屋(以下、風音屋)は、株式会社MonotaRO(以下、MonotaRO)様のデータモデリング支援の一環として、データ整備についての研修を行いました。

お客様のご活動

MonotaRO様は、2,637万点以上もの間接資材を取り扱うネットストア「モノタロウ」を運営なさっています。現在はLookerとBigQueryによるデータマート構築を進めるとともに、アナリティクスエンジニアリング体制の整備や生成AIの活用を通じて、さらに高度で柔軟なデータ活用基盤の構築と成長を目指していらっしゃいます。

プロジェクト概要

MonotaRO様の社内でデータ活用が進む中、クエリの量と複雑さが増し、管理が難しくなっているというご相談がありました。主にクエリを適切に分割・管理するための基本的な考え方やレイヤー設計に課題感を持たれていました。
こうした課題への対応として、「データ整備入門」と題して、データ整備の基本からテーブル設計までのノウハウをお伝えしました。前半は講義形式、後半はハンズオンという形で全2回のデータモデリング研修を行いました。
 
<前半(講義)>
  • #1 はじめに
  • #2 ディメンショナルモデル
  • #3 Fact
  • #4 Dimension
  • #5 提供形式調整
  • #6 用途別I/F(インターフェース)
  • #7 前処理
  • #8 おわりに
 
<後半(ハンズオン)>
  • 広告クエリのリファクタリング実演

本研修の参加者

様々な領域でデータ活用をしている社員の皆様にご参加いただきました。

本研修の特徴

前半の講義では、BigQueryなどのデータウェアハウスについて、データの利用者がテーブルをどのように設計すると良いのかという観点で、大まかな考え方やポイントをお話しました。
ディメンショナルモデリングの概要をご紹介し、ビジネスを継続的に改善・進化させるための柔軟なデータ分析をどのように行っていくのかをイメージできるようにします。その上で、データ処理の流れを整理し、各レイヤーにおけるテーブル設計を進めるために「風音屋のデータモデリング標準」をご紹介しました。
 
実務でそのまま使えるように、テーブルの設計例を詳しく解説しました。データマートから前処理を分離できるように、「どのような前処理を共通管理するのか」「どの用途に対してどのような形式でデータを渡すか」をガイドしました。それぞれの特徴を学びながら、使う人や目的に合わせて、どのような形式でデータを提供するかを考える力を身につけられるように心がけました。
 
後半のハンズオンでは、実際の広告クエリを対象にしてリファクタリングを実演しました。当社代表・横山が、順をおってテーブルの現状(AsIs)を修正案(ToBe)へと書き換えます。複数のデータソースを統合し、分析しやすいようにデータモデルを段階的に進化させるアプローチを体感いただきました。

研修資料(一部抜粋)

 

参加者の感想(一部抜粋)

講義について

“「実践的データ基盤への処方箋」や「アジャイルデータモデリング」などの本をすでに読んでいたこともあり、非常にわかりやすく知識の整理ができました。”
“前処理の考え方/分け方がとても参考になりました。前処理が複雑になりつつあるので、説明していただいた分け方をした方がいいというのは私の中で新たな気づきでした。”
“図で示された説明がわかりやすかったのと、具体的な例をもとに説明されていたのがよかったです。rawデータをいかに使えるデータにするかの部分(収集と活用)に興味がありました。”
“ディメンショナルモデルに関する説明を聞けてイメージを持つことができました。”
“ダッシュボードなどを作成する上でテーブル整備が必要な場面があるため、その際の設計方法や留意事項を整理・理解する良い機会となりました。また、既にあるテーブルの目的を汲み取って適切に活用するという点でもこの講義の内容が役立ちそうです。”
“基本的な考え方は非常にわかりやすく、勉強になりました。指標やディメンションの定義が部署ごとに微妙に異なっていることが多々あり、きれいに整備しきれていなかったり、似て非なる数値やダッシュボードが生まれることが多い印象です。この機会に業務の整理を進めていけたらと思います。”

ハンズオンについて

“広告業務用のSQLを題材にしていただいて、理解が進みやすかったです 。”
“具体的な思考のプロセスが見れてよかったです。“
“モデルの改善に向けてどういったプロセスを踏んでいくのかや考え方を知ることができたので、勉強になりました。”
“GA4のデータを読み込む部分について改善点を多く挙げていただけた点が良かったです。”
“UNNESTは共通箇所で実装しておいてほしいと思っていたので、見解が一致してよかったです 。マスタデータをseedにする運用は既に一部で取り入れていますが、話を聞いているともっと共通化してもいいのかなと思いました。”
“GA4のデータ提供元でやるべきことを知ることができました 。”
“特にRaw, Adapter, Bridge, Wideについて詳しく聞けたのが良かったです。”
“具体的な迷いどころ(Adapter or Bridgeなど)をどう判断するかについてコメントしながらレクチャーしていただけました。参考になります。”
 

技術支援だけではなく、ナレッジの提供を通した体制強化を

今回のMonotaRO様のケースでは、データの利用者や整備者がそれぞれのニーズからテーブルを設計できるように、データ整備のためのノウハウとコツを共有しました。
風音屋では研修サービスの提供を通して、クライアント企業の皆さまの体制強化を支援しています。今後も各社のデータマネジメント支援に引き続き尽力して参ります。
研修の受講にご興味のある方は以下からお気軽にご相談・ご連絡ください。
 

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