FAQ >【中途採用】未経験の職種に応募することはできますか?
未経験の職種に応募する中途転職者に向けて「この職種に応募するならこういったことを学んでおくとオススメですよ」というガイドを提供しております。
カジュアル面談にて「未経験での中途転職」に関するご質問を多く寄せられたため、このガイドを作成し、公開することにしました。
あくまで参考資料であり、応募にあたっての必須条件ではありません。ただ、自己学習を通して「自分はこの仕事に向いている」「この分野の学習が苦にならない」とチェックしておくと、自信を持って応募できるようになるはずです。
その職種のことを知らずに入社して、後になってから「やっぱり自分には合わない」「想像していた内容と違った」といったミスマッチが発覚すると、お互いに労力や時間がムダになってしまう恐れがありますので、ご注意ください。
このガイドではベーシックな資格やスキルを中心にご紹介しております。最終的に風音屋を選んでいただけなかったとしても、他社への就職に役に立つはずです。ぜひキャリアを考えるヒントにしていただければと思います。
データコンサルタント/データアナリスト
①SPIの対策
「分析」の仕事では、徹底的に考え抜くことが求められます。大量の情報を迅速に処理するトレーニングとして、適性検査「SPI」の対策から始めてみてはいかがでしょうか。人気のSPI対策本としては『これが本当のSPI3だ!』『これが本当のWebテストだ!』等があるので、よかったら手に取ってみてください。
SPIを受験すると採用担当者(企業)には偏差値のようなスコアが開示されるので、未経験者にとってはポテンシャルをアピールできるチャンスです。高スコアを取ると「情報処理力に優れている(=頭の回転が早い)」または「傾向と対策を踏まえて行動できる(=努力できる)」いずれかに該当するはずです。
逆に言うと、未経験者でSPIスコアが低い場合、採用担当から見たときに「専門スキルがない」「実務経験がない」に加えて「頭の回転が早くない」「努力ができない」(=成長できるポテンシャルが感じられない)という不利な評価になってしまう恐れがあるのでご注意ください。
②ロジカルシンキング
ロジカルシンキングは「分析」の土台となるスキルです。ロジカルシンキングが身についていれば、BIツールの使い方やデータ可視化のテクニックなど、個々のハードスキルは入社後研修でも習得可能です。以下に推薦図書を掲載していますので、ぜひゲーム感覚で楽しんでみてください。
また、ロジカルシンキングの実践例として、「現在あなたが担当している仕事」や「最近使ったサービス」(例:カフェ、映画館、動画サイト)について「KPIは何か?」「KPIを2倍にするにはどうしたら良いか?」を考えてみるのもオススメです。思いつきのアイデアを列挙するのではなく、推薦図書を参考にして、構造的に分析してみましょう。面接の場で聞かれたときに、スムーズかつ自信を持って回答できる状態になっているとベストです。
③文章力・資料作成
業務でデータ分析を行うのはビジネスの改善に役立てるためです。ステークホルダーは必ずしもデータの専門家ではありません。そのため、「相手にわかりやすく伝えるスキル」が必要となります。
「ドキュメンテーションに慣れていない」「自信がない」という人には、以下の書籍リストをオススメしています。ぜひ参考にしてください。
- ゼロ秒思考(考えを書き出して整理する訓練)
- ロジカル・シンキング練習帳(メールを題材にしてビジネス文章を読み書きする方法)
- 文章力の基本(わかりやすい文章の書き方)
- 世界で一番やさしい 資料作りの教科書(ビジネスにおける資料作成の流れ)
- 世界で一番やさしい 考え方の教科書(文章や資料を作るための考え方)
- 入門 考える技術・書く技術(ロジカルライティングの全体像)
- 超スピード文章術(効率的な文章作成のコツ)
- 超・箇条書き(論点を構造化して整理する方法)
- 文章を整える技術(推敲やセルフチェックの方法)
- 日本語検定 公式領域別問題集 文法(日本語の正しい文法)
- 一生使える 見やすい資料のデザイン入門(読みやすいスライドの作り方)
- Google流資料作成術(資料に添付するデータ・図・表の作り方)
- GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた(リモートやドキュメント文化での働き方)
④SQL
ほとんどのスキルは入社後研修で学ぶだけで十分なのですが「SQL」と呼ばれるデータベース言語については、事前学習をオススメします。風音屋のデータ分析業務ではSQLの利用頻度が圧倒的に多いので、先に慣れておいたほうが安心して仕事を始めることができます。
- 学習教材としては『集中演習 SQL入門 Google BigQueryではじめるビジネスデータ分析』という書籍があります。当社のインターン(経済学部の学生)が本書を読んだ後、すぐにSQLを用いてデータ分析を実施できるようになったので、この1冊だけでもおそらく十分なはずです。
- SQLを使えるようになったら、「風音屋TechBlog:データ分析で用いるSQLクエリの設計方法」を読んで実践してみましょう。効率的でムダのないデータ集計を設計したり、集計ミスがないようにテストできるようになります。PythonやExcelなどプログラミング言語やツールを問わずに、応用できるテクニックなので、今後データ領域で活動するならぜひ読むことをオススメします。
データエンジニア
①プログラミング言語の基本的な使い方
何らかのプログラミング言語について、基本的な使い方を習得しておくことをオススメします。風音屋ではPythonを使うことが多いので、具体的な学習目標を設定するのであれば「Python3エンジニア認定基礎試験」という資格を取得してみてはいかがでしょうか。
②クラウドインフラの初歩的な知識
Google Cloud、AWS、Microsoft Azure のいずれかについて初歩的な知識を抑えておくことをオススメします。初学者が体系的に学習するためのガイドとして公認の初級資格が用意されています。
③”発展資格”または”派生資格”への挑戦
それぞれのクラウドインフラ(②)には、データエンジニアに特化した発展資格があります。これらの学習内容は入社後の業務に直結しますので、よかったら挑戦してみてください。
- Google Cloud Professional Data Engineer
- AWS Certified Data Engineer - Associate
- Microsoft Certified: Azure Data Fundamentals
- Microsoft Certified: Azure Data Engineer Associate
また、周辺分野の知識を補うには、以下のような派生資格があります。実務では同等のスキルが求められるので、事前に目を通しておくと安心して仕事を始めることができます。
- サーバの操作に興味を持ったら、Linuxの資格「LPIC Level 1」をオススメします。データ集計のプログラムをインフラ環境に反映する(デプロイする)ときにLinuxの知識が必要になります。『1週間でLPICの基礎が学べる本』を流し読みするところから始めてみてはいかがでしょうか。
- データベースの操作やSQLを学ぶには「ORACLE MASTER Silver」や「OSS-DB Silver」といった資格があります。これらの技術を当社の業務で直接扱うことは多くないですが、BigQuery等のデータウェアハウスで同じような作業を行うことになります。
- ITに関する基礎知識を幅広く抑えるには「基本情報技術者試験」と呼ばれる資格や、その上位資格の「応用情報技術者試験」があります。パフォーマンスチューニングやセキュリティ要件を考えるにあたっては、こうした幅広い知識が必要となります。学生時代に情報系専攻ではなかった人が「大まかなキーワードを知っておく」状態を目指すには、これらの資格が適しています。
④データエンジニアリング分野のツールを試す
ぜひ実際にツールを試してみましょう。システムが動作する感動や面白さを味わってみてください。特にGoogle Cloudのサービスは個人で試す分には少額(ほぼ無料)で済むのでオススメしております。
- LookerStudio等のBIツールによるデータ可視化
- BigQuery等のデータウェアハウスを用いたデータ管理
- Dataform等のETL/ELTツールを用いたSQLによるデータ集計
- Cloud Functions等を用いたPythonによるデータ集計
- GitおよびGitHubによるソースコード管理
- PythonのLinter設定やテストコード作成
- Terraformによるインフラ設定のソースコード化(IaC)
- GitHub Actionsによるリリース作業の自動化(CI / CD)
これらを試した後は、ふりかえりを兼ねて、システム構成図を描いてみてはいかがでしょうか。その際には、風音屋の代表 yuzutas0 が執筆した書籍『実践的データ基盤への処方箋』と、アドバイザー fetaro が執筆した記事「わかりやすいシステム構成図の書き方」が参考になるはずです。
人事・労務
(さらなるキャリアアップとして)
③従業員が安心して働けるように「労務」の実践的な知識を身につけましょう。
- 書籍『意外とわかっていない人のための 人事・労務の超基本』:労務のトラブルや疑問点をQ&A形式で解説しています。次の「緑本」が難しいと感じたらこの本を読んでみてください。
- 書籍『はじめて人事担当者になったとき知っておくべき、7の基本。8つの主な役割。(入門編)』:人事業界では有名なシリーズの1冊で、通称「緑本」と呼ばれています。日本の労働状況や法制度にも言及しており、人事担当が知っておくべき背景知識を広く学ぶことができます。
- 資格「第二種衛生管理者免許」:労働者の健康を守るための国家資格です。当社の人事担当は資格取得を必須としています。1年以上の実務経験が必須なので、未経験者は入社後の受験となります。
④従業員が活躍できるように「人事」の実践的な知識を身につけましょう。
- 書籍『本当にほしい人材が集まる 中途採用の定石』:採用プロセスの一連の流れや注意点、テクニックや心構えを学ぶことができます。
- 書籍『まんがでわかるコンピテンシー面接』:学歴、経歴、資格、熱意、話し方の上手さといった要素ではなく「新しい環境で成果で出せるか」に注目した面接手法を学ぶことができます。
- 書籍『組織になじませる力ーオンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』:新入社員が活躍するまでの流れや注意点、テクニックや心構えを学ぶことができます。
- 書籍『従業員エンゲージメントを仕組み化する スキルマネジメント』:会社が目指す姿の言語化、会社と個人の成長を一致させる人事評価制度、個人の業績目標や行動・姿勢の目標設定、活躍するために必要なスキルの定義・トレーニング提供・チェック方法などを解説しています。
⑤採用候補者や従業員のコメントをもとに組織への改善提案ができると「自分が組織づくりに貢献している」と実感できるようになります。
- 書籍『行列のできるインタビュアーの聞く技術』:採用候補者や従業員にインタビューするためのガイドです。1人1人の人生に寄り添い、誰もが自分の物語の主人公として活躍できるようになっていただくことが、人事担当の使命の1つです。まずは1人1人を詳しく知るところから始めてみましょう。
- 書籍『データと対話で職場を変える技術 サーベイ・フィードバック入門』:従業員サーベイ(アンケート)の集め方や活用方法について解説した本です。当社はデータ分析の会社なので、データやフィードバックをもとに「組織のあり方」を見直していく、という姿勢を徹底したいと考えています。
⑥会社の文化を社内外に発信し、採用候補者や従業員1人1人の行動変容を促せると「自分が組織づくりに貢献している」と実感できるようになります。代表がAmazon、メルカリ、リクルートを参考にして社内の仕組みを作っているため、ぜひ人事担当にも背景を知っておいていただければと思います。
- 書籍『amazonのすごい人事戦略』:AmazonはOLPとよばれる14のキーワードを掲げており、採用・育成・評価の全てにおいてOLPを徹底しています。
- 書籍『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』:元メルカリの人事責任者・社長室長が、カルチャーを言語化するためのフレームワークを説明した本です。
- 書籍『リクルートのDNA』『リクルート 挑戦する遺伝子』:リクルートという会社の成り立ちや、創業者が行ってきた人事施策の創意工夫、IT企業への変革の過程が紹介されています。
営業事務・マーケティング
①書籍『弱者でも勝てるモノの売り方 - お金をかけずに売上を上げるマーケティング入門』:祖父の喫茶店を継いだ女性が、マーケティングを勉強しながらお店を立て直していくという本です。「マンガ+解説文」という構成で、初心者の1冊目としてお勧めです。
(さらなるキャリアアップとして)
③業務の流れや実践的なノウハウを知ることで、マニュアル作業だけではなく、自分なりに企画・提案ができるようになります。
- 書籍『現場のプロが教える!BtoBマーケティングの基礎知識』:BtoB(企業間取引)におけるマーケティング施策を紹介しています。すぐに実践できるような内容がピックアップされています。
- 書籍『沈黙のWebマーケティング』『沈黙のWebライティング』:漫画形式でWebマーケティングについて説明しています。Webサイトやコンテンツを活用して、家具販売や老舗旅館を立て直していくというストーリーで、試行錯誤の過程を追体験できます。
- 書籍『実践カスタマーサクセス - BtoBサービス企業を舞台にした体験ストーリー』:サービスを使い続けてもらい、お客様を支えていくためのガイドです。風音屋は「データ分析チーム」や「データ分析環境」の定額レンタルサービスを提供しているので、置き換えながら読んでみてください。
- 書籍『行列のできるインタビュアーの聞く技術』:お客様にインタビューし、憑依するためのガイドです。お客様が置かれた状況、目指す方向性、抱えている課題を理解することで、有益な提案ができるようになります。まずは相手の話を聞き、詳しく知るところから始めてみましょう。
- 書籍『付加価値のつくりかた』:お客様の意見や困り事をもとにして、自社のビジネス戦略を見直し、商品・サービスを改善していく(または新商品や新規事業を立ち上げる)ためのガイドです。お客様とのコミュニケーションの中には、会社のさらなる成長へのヒントが詰まっています。
④担当する業界・企業について調べてみましょう。相手のことを詳しく知ると、日々の仕事を少しずつ楽しめるようになります。風音屋の仕事で100社に関われば、一生飽きずに好奇心を満たせるはずです。
- 業界本を読んでみましょう。EC業界であれば次のような本を手に取ると良いでしょう。
- 担当企業を調べてみましょう。消費者向けに商品を販売する上場企業なら次の方法が考えられます。
- その会社の「コーポレートサイト」や「決算説明資料」を読んで、経営の方向性を知る。
- その会社に関する「ニュース記事」や「プレスリリース」を読んで、最近の状況を知る。
- その会社の「商品」を試して「レポート」を書き、自分なりに魅力を発見・解説する(*)。
*当社ではクライアント企業のビジネス理解を業務の一部と考えて、補助制度を設けています。例えば、ゲーム業界を担当する場合は、会社補助のもとで新作ゲームを購入し、業務時間でのゲームプレイも可能です。なお、補助制度の利用には一定の条件・限度があるため、その点はご注意ください。
経理・財務
③書籍『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ―500年の物語』:会計の仕組みやルールがどのような歴史的経緯で作られてきたのかが紹介されています。資格勉強だと難しく感じた内容であっても「そういう理由で始まったのか!」と歴史の裏側を知ることで、スムーズに理解できるようになります。
(さらなるキャリアアップとして)
④資金調達:資金調達の業務を担当できるようになると、様々な施策を加速させ、会社の規模拡大に対してより直接的に貢献できるようになります。
- 書籍『銀行からの融資 完全マニュアル』:銀行とのお付き合いの仕方を学ぶことができます。
⑤管理会計:管理会計に詳しくなると、会社の状況を把握して「来年度は◯◯のお金を節約してはどうか」「ここを毎月△△件増やせば利益が□□%伸びる」などの改善提案ができるようになります。
- 書籍『「お金の流れ」がたった1つの図法でぜんぶわかる 会計の地図』:財務三表のうちP/L(損益計算書)とB/S(貸借対照表)の見方や使い方を学ぶことができます。noteで全文公開されています。
- 書籍『儲かる経営の方程式―MQ会計×TOCで会社が劇的に変わる』:1つの図で経営状況をチェックする方法を学ぶことができます。
- 書籍『外資系金融のExcel作成術―表の見せ方&財務モデルの組み方』:Excelシートで将来の経営状況をシミュレーションする方法を学ぶことができます。
IT管理・情シス
②書籍『基礎からのIT担当者リテラシー』:未経験からIT担当(会社によっては情シスと呼ばれる職種)として働くことになる従業員を想定して、PC端末やネットワーク、セキュリティやアカウント管理など、業務の全体像と基礎知識を解説しています。
③書籍『売上が上がるバックオフィス最適化マップ』:ITツール導入によって、社内の様々な部署が効率化されて、利益を増やせるということが分かる1冊です。当社ではSaaS導入ではなくGoogle Sheetでお手製の簡易システムを作って済ませてしまうことも多いですが、実現したいことは同じです。
(さらなるキャリアアップとして)
④資格「Professional Google Workspace Administrator(管理者)」:Google Workspace 管理者の認定資格です。試験では「管理機能を含めたツールの使い方」「セキュリティやネットワークなどのITの知識」「状況に応じたベストな対応方法」など幅広く問われます。一人前の担当者として活躍するにあたっては、将来的にこの水準を目指していただきたいため、参考として記載しております。
⑤より実務に即した知識を得るには、以下のような参考書籍を読んでみるのも良いでしょう。
- 書籍『先輩がやさしく教えるシステム管理者の知識と実務』:障害対応、ログ監視、ライセンス管理、構成図・管理台帳など、より実践的な内容について紹介されています。入社後に実務経験を積みながら学んでいけると良いかと思います。
- 書籍『図解即戦力 ISO27001:2022の規格と審査がこれ1冊でしっかりわかる教科書』:ISO27001は、自社が情報セキュリティの管理体制を整えていることを、客観的に評価・発信するための認証制度です。制度の趣旨や内容を把握しておくと、日々の業務を進めやすくなるかと思います。
- 書籍『プロダクトマネジメントのすべて』:社内向けのシステムを1つの製品(プロダクト)だと考えると、コーポレートIT担当は、いわば製品開発の責任者ということになります。利用者のニーズを踏まえて使いやすい製品を提供できるようになりましょう。
[共通] 事務職(正社員)
当社の事務職では「正社員として入社する場合」「契約社員から正社員に切り替わる場合」ともに、単なる作業員ではなく、現場のリーダーとして自社の課題解決に貢献し、契約社員や派遣社員の業務をサポートできるだけのスキル水準を期待しています。
①SPIの対策
事務職では細かい資料を扱いますので、多くの情報を素早く処理できる人のほうが、入社後すぐに活躍しやすいと言えます。頭を使うトレーニングとして、適性検査「SPI」の対策から始めてみてはいかがでしょうか。人気のSPI対策本としては『これが本当のSPI3だ!』『これが本当のWebテストだ!』等があるので、よかったら手に取ってみてください。
SPIを受験すると採用担当者(企業)には偏差値のようなスコアが開示されるので、未経験者にとってはポテンシャルをアピールできるチャンスです。高スコアを取ると「情報処理力に優れている(=頭の回転が早い)」または「傾向と対策を踏まえて行動できる(=努力できる)」いずれかに該当するはずです。
逆に言うと、未経験者でSPIスコアが低い場合、採用担当から見たときに「専門スキルがない」「実務経験がない」に加えて「頭の回転が早くない」「努力ができない」(=成長できるポテンシャルが感じられない)という不利な評価になってしまう恐れがあるのでご注意ください。
②ビジネスコミュニケーション
事務職は、別の部署や取引先など多様な関係者とやり取りを行うため、ビジネスコミュニケーションのスキルが求められます。独学にオススメとなる資格や書籍をご紹介します。
- 資格「秘書検定」:忙しそうな相手にどう話しかけるか?従業員や取引先からの依頼をどのようにお断りするか?など、働く上でのコミュニケーションの勘所を学ぶことができます。
- 書籍『ロジカル・シンキング練習帳』:相手に伝わる丁寧なビジネスメールやビジネスチャットを書けるようになるための書籍です。「Lesson →例題→練習問題」のステップで、少しずつスキルを身につけることができます。
- 書籍『世界で一番やさしい会議の教科書』:グダグダな会議に時間を浪費しなくなるための書籍です。「この会議はムダが多いな」と思ったときに、不満や愚痴で終わらせるのではなく、「こうすれば改善できるかも」と行動に移せるようになります。
- 書籍『リッツ・カールトンで学んだ マンガでわかる超一流のおもてなし』:周りから「気が利く人だな」「仕事ができる人だな」と信頼されるためのヒントが詰まっています。接客業や対面コミュニケーションを題材としていますが、事務職やメール/チャットに置き換えても通用する内容です。
③ITリテラシー
オフィスワークを行う上でIT(情報技術)に関する最低限の知識は必須となります。ツールの使い方やキーワード、大事な考え方を身につけておくと、職場で活躍しやすくなるでしょう。
- タイピング&ショートカットキー:1日中PCを使うことになるため、PCの操作には慣れておきましょう。「寿司打」というタイピングの練習サイトがあるので、毎日コツコツと練習して、最高難易度(10,000円コース)を突破できるように挑戦してみてください。
- 資格「ITパスポート」:ITに関する基本的な知識を体系的に学ぶことができます。専門用語が次々に出てくるので最初は少し大変かもしれませんが、IT企業で働く上ではぜひ知っておきたい知識です。
- 書籍『セキュリティの笑えないミスとその対策51』:情報漏洩などの注意事項を学ぶことができます。事務職は機密情報を扱う機会が多いため、セキュリティ意識の高さが求められます。
- 資格「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」:Word(文書)、Excel(表計算)、PowerPoint(スライド資料)、Outlook(メール・カレンダー)といったツールの使い方を学ぶことができます。当社ではMicrosoft OfficeではなくGoogle Workspaceがメインとなりますが、教材が豊富なため、学習用にはMOSをオススメしています。既に学校・職場でMicrosoft OfficeやGoogle Workspaceを使っている場合は、この資格を無理に取得する必要はありません。
- 書籍『Google Workspace完全マニュアル』:当社ではGoogle Workspaceをメインで用いているため、基本的な機能を知っておいていただければと思います。ほとんどの機能は個人の無料Googleアカウントでも試すことが可能です。管理者機能はコーポレートIT担当のみ使います。
④タスク管理
オフィスワークでは、月末・月初や期末・期初などのタイミングに、同時並行で複数の仕事(タスク)が発生します。慌ててミスを重ねてしまったり、無理な残業でストレスを抱えてしまうのではなく、タスクを管理して、着実に1つ1つ対応していくことが重要です。
- マンガでわかる! 幼稚園児でもできた! ! タスク管理超入門:タスク管理の考え方をマンガで学びます。
- はじめてのGTD ストレスフリーの整理術:Todoを「その場で終わらせる」「人に依頼する」「カレンダーにセットする」「資料集に保存する」等に分類して自分の頭から追い出そう、という本です。
- どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門:30分単位にTodoを分割して、30分単位で成果を出していこう、という本です。
- 仕事を高速化する「時間割」の作り方:学校のように時間割を決めて活動しよう、という本です。
⑤マニュアル作成・活用
オフィスワークでは、個人の記憶力やセンスに頼るだけではなく、仕組みづくりやマニュアル活用が重要となります。肝心なときに「うっかりしてしまった」「焦ってしまった」とミスをしてしまいます。定型作業をマニュアル化していけば、新入社員のミスを減らし、ベテランの効率的な手順をチームに伝授できます。会社全体で余裕が生まれ、新しい挑戦に意識を向けられるようになります。
- 図解 無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい:分かりやすいマニュアルのコツ、全従業員にマニュアル利用を浸透させる方法、マニュアルがあるからこそクリエイティブな仕事ができることなど、マニュアルについての大事な考え方が網羅されています。
- テンプレート仕事術:メールのテンプレートや送信前チェックリストなど、ケアレスミスを防ぎ、作業スピードを向上させるための仕組みづくりについて紹介されています。
- 本当に使える業務マニュアル作成のルール:当社ではMicrosoft WordではなくGoogle Docsを利用しているため、ツールの使い方についてはGoogle Docsに読み替えていただければと思います。
- 誰でもわかる!業務フローチャートのつくり方:本書では「横型」のフローチャートで説明していますが、PC作業では画面を縦にスクロールするほうが一般的なので、当社では「縦型」を使います。
- はじめよう!プロセス設計 〜要件定義のその前に:ITシステム開発を想定した書き方になっていますが、「従業員=顧客」と捉えて、担当する事務作業に当てはめながら読み替えてみてください。
⑥文章力・資料作成
オフィスワークでは、別の部署や取引先など、立場の違う相手と文章・資料でコミュニケーションを取る場面があります。そのため、「文章・資料で相手にわかりやすく伝えるスキル」が必要となります。
「ドキュメンテーションに慣れていない」「自信がない」という人には、以下の書籍リストをオススメしています。ぜひ参考にしてください。
- ゼロ秒思考(考えを書き出して整理する訓練)
- ロジカル・シンキング練習帳(メールを題材にしてビジネス文章を読み書きする方法)
- 文章力の基本(わかりやすい文章の書き方)
- 世界で一番やさしい 資料作りの教科書(ビジネスにおける資料作成の流れ)
- 世界で一番やさしい 考え方の教科書(文章や資料を作るための考え方)
- 入門 考える技術・書く技術(ロジカルライティングの全体像)
- 超スピード文章術(効率的な文章作成のコツ)
- 超・箇条書き(論点を構造化して整理する方法)
- 文章を整える技術(推敲やセルフチェックの方法)
- 日本語検定 公式領域別問題集 文法(日本語の正しい文法)
- 一生使える 見やすい資料のデザイン入門(読みやすいスライドの作り方)
- Google流資料作成術(資料に添付するデータ・図・表の作り方)
- GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた(リモートやドキュメント文化での働き方)
⑦学習方法・習慣化
学生から会社員(特に正社員)になると、1年目は「学ぶことが多すぎて大変だ」と感じてしまうかもしれません。「お金を払って授業を受ける学生」から「お金を貰ってサービスを提供する会社員」に、「正社員にサポートしてもらうアルバイト」から「アルバイトをサポートする正社員」に変わります。これまでと立場が変わるため、学ばなければいけないことは山程あります。そのため、「学習を習慣化する」「効率的な学習方法を身につける」の2つが重要となります。
- 行動力を身につけるためのレッスン:まずは毎日10分のカフェ読書からでも良いので「自分への投資」を習慣化しましょう。一時的なモチベーションに左右されないように「習慣化」するのがポイントです。
- 優秀な人の振り返りってこういう感じだよね〜という話:プロのスポーツ選手のようにストイックに自分の成果や行動を振り返りましょう。
- 新卒3ヶ月目をどう過ごすか:生活リズムを整えて、学習時間を確保しましょう。「スキルが全然足りない」ということであれば「最初は学習漬けの日々を送る」と割り切ったほうが、結果的に早くラクになります。
また、法改正や新ツールの登場など、ビジネスの状況は日々変化します。ベテランになっても日々の学習を継続していくことになります。しかし、プライベートの時間に「勉強しなきゃ」と悩み続けたり、効率の悪い方法で長時間を費やすのは、健全な過ごし方とは言えません。自己学習を習慣化して「今日のノルマは完了!」「今日はもう◯◯のことは考えない!」とメリハリをつけたり、短時間で効率的に学習することで、プライベートとキャリアを両立できるようになります。
- コンサルタントの読書術 or レバレッジ・リーディング:効率的な読書の方法を紹介しています。冒頭から末尾まで一語一句読むのではなく、WEB検索で調べ物をするように、目的から逆算して必要な箇所を読みましょう。
- たいていのことは20時間で習得できる:短期間で成果を出すための考え方を紹介しています。沢山のテキストを隅々まで暗記するのではなく、アウトプットを決めて、アウトプットから逆算してインプットを行いましょう。
- 天才たちの日課 - クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々:毎日のルーティーンや安定した生活の重要性を学べます。「モチベーションが上がったとき」に頑張るのではなく、「モチベーションが上がらなくても」毎日コツコツと進めていきましょう。
⑧プロフェッショナルの心構え・作法
本気で何かを頑張ろうとすると、楽しいことだけではなく、むしろ大変なことのほうが多いものです。そういった苦楽を乗り越えていく中で、プロフェッショナルな人材としての知識、経験、マインドを身につけていきます。だからこそ、仕事を通して社会に価値を提供できる存在になり、雇用という形で社会に求められる存在になり、対価としてお金を得ることができるようになります。
- (漫画)天才じゃない私たちが輝くために:「この道、自分に向いているのかな?」「好きで始めたことなのに、ツラい」<悩める学生のみなさんにオススメしたい> という出版社の紹介文そのままの本です。
- (漫画)ベイビーステップ:「一流のプロとして生きていく」とはどういうことなのかを、テニス漫画で追体験できます。 モチベーション管理がスキルの1つであること、焦ったときにすぐ気持ちを切り替える技術、目標設定の重要性、何か1つ自分の武器を持つことなど、プロフェッショナルワークのイロハが詰まっています。
⑨社会人の心構え・作法
社会人としての心構えや作法を学び、実践できるようになりましょう。イギリスで生活しようと思ったら英語でコミュケーションをしなければいけませんよね。日本語だけで生活するのは難しいでしょう。同じように、ビジネスの世界では、ビジネスの世界ならではの「仕事の進め方」(作法)があります。慣れないうちは大変かもしれませんが、海外生活で英語を身につけるように、社会人生活の中で作法を身につけていきましょう。
- 図解&事例で学ぶ入社1年目の教科書:新卒入社時の研修で学ぶような内容です。会社の意義、学生と社会人の違い、給料はどこから出るか、ホウレンソウ、スケジュール管理、TODOリスト、PDCAサイクル、仮説思考、質問力、メールのマナー、モチベーション管理、エレベーターの乗り方etc…。
- 図解 コンサル一年目が学ぶこと:コンサルと銘打っていますが、コンサルに限らない内容です。「効率的に仕事をこなしていく人の働き方」を学ぶことができます。結論から話す、PREP法(結論→理由→例示→結論)、ストレートに話す、常に期待以上の成果を出す、事実と意見を分ける、雲(事実)・雨(解釈)・傘(提案)、成果物から逆算して考える、バリュー(価値)を相手に提供する、会議では受け身になるのではなく自らチームの一員として貢献する etc…。
- コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト 知らないと一生後悔する99のスキルと5の挑戦:コンサルと銘打っていますが、コンサルに限らない内容です。1日単位ではなく30分単位で仕事を進める、オープンクエスチョン(どうしたらいい?)ではなくクローズドクエスチョン(こうですか?)で質問する、箇条書きの並び順に意味を持たせる、「あれどうなった?」と聞かれる前に報告する、上司の発言が変わったときに文句を言うのではなく事情を確認する、新しい仕事を任されたときは着手初日(Day 1)から成果を出せるように事前(Day 0)に準備しておく etc…。
- コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル:コンサルと銘打っていますが、コンサルに限らない内容です。頑張り方を間違えない、品質あってこその速さ、「誰にでもできる仕事」を「いい感じにやっておく」、休むこともスキル、「先読み」「段取り」をする、顧客や会社の歴史に敬意を払う、「お前って結局何ができる奴なんだっけ?」に応える etc…。
- ベンチャーの作法 - 「結果がすべて」の世界で速さと成果を両取りする仕事術:ベンチャーと銘打っていますが、ベンチャーに限らない内容です。「指示待ち人間」や「評論家」は組織で必要とされない、「結果」にこだわっていれば「納得感」や「キャリアアップ」は後からついてくる etc…。
- Amazonで働きたい人が読む本:Amazonの採用面接は世界標準で仕組み化されており、"Disagree and commit" (反対意見ははっきりと言う、決まったら反対意見であってもコミットする)といった「14のリーダーシップ」を普段から発揮できているか?を問われます。Amazon特有の話は置いておいて、ビジネス基礎力を身につけるための参考になる1冊です。
このページの作成時点での内容となります。最新情報については面接時にご相談ください。